変形性膝関節症(膝痛)
変形性膝関節症は、日常生活での負担や使いすぎ・老化による関節軟骨の摩耗・体重による負担・遺伝的要素など様々な要因によってお膝で炎症を起こし、徐々に膝の変形していく症状です。
変形のしかたとして、内反膝(O脚)や外反膝(X脚)があります。
正座や地べたでの生活が多いから変形すると言われていますが、日本人は遺伝的に内反膝(O脚)が多くみられます。
特に筋力の少ない、女性やお年寄りに多いのが特徴です。
<初期の症状>
初期にみられる症状は、朝起きて足をついた時の違和感や、歩きはじめや立ち上がりなど動作開始時の痛みなどがあります。
この違和感や痛みは少し休めば落ち着くことが多いため、ほっとかれる方が多いのですが、これこそが変形性膝関節症が始まる合図であり、初期に治療が開始できると変形してしまう確率はかなり抑えられます。
<中期の症状>
初期症状を放置すると徐々に症状が変化し、はっきりとした痛みを感じるようになります。
痛みで膝を完全に曲げ伸ばしすることが困難となり、正座やしゃがみこむ動作、階段の上り下り(特に下り)で強い痛みを感じるようになります。
また、炎症が強くなってくると、腫れ・熱感・むくみなどの症状がみられるようになります。さらに症状が進むとお膝に水がたまり、痛みが長期化しやすくなっていきます。
中期になると変形も進んでいることから、膝に荷重がかかるときに「ゴリゴリ」「グズグズ」などの音がするのを感じられることもあります。
これによってさらに症状は進行していきます。
<末期の症状>
末期の症状になると、安静にしていても痛みが出てしまい日常生活にも支障が出てきます。
見た目にもわかりやすく変形があり、膝を伸ばすことができず、歩行困難となります。
痛みによって歩行や外出が困難になることから、精神的な問題を抱える方も少なくありません。
また外出が減り外的刺激が減ることから、痴呆症や認知症が急激に進むという例もよくみられます。
治療法
大前提として、1度擦り減った軟骨は回復することはありません。
治療で重要になってくるのが、1.今ある痛みを抑えること、2.これ以上の悪化を防ぐことです。
1.今ある痛みを抑える
変形が進んでいても、痛みをコントロールして減らすことが可能です。
変形していること自体が痛みの原因ではなく、変形させるようなストレスがかかることで痛みが現れます。
その為ストレスがかからないような膝の状態にすることで、痛みを感じることなく生活することが可能です。
2.これ以上の悪化を防ぐ
変形した膝の形は治りませんが、現状を悪化させることなく維持させることは可能です。
そのためには、膝が本来持っている関節の動きを取り戻す、膝にストレスを与えてしまう過剰な筋緊張を取り、膝を支えるのに十分な筋力をつける必要があります。
当院では、膝の関節運動に関連する筋肉の緊張を落とし、AKA(関節運動学的アプローチ)を使用して関節本来の動きを取り戻す治療を行います。
その後、膝の状態(痛み)をみながら適切なタイミングで、膝を支えるための筋力トレーニングも開始して生活指導などをしていきます。
膝に水がたまると注射で抜くというイメージがありますが、注射で抜いたところでストレスがかかる根本が改善していない事で、すぐに水が溜まってしまうことが多くあります。
当院では治療と並行して、包帯での圧迫固定によって水を減らしていくことが可能です。
均等かつ適切な包帯圧迫を行うと、水の吸収され、徐々に晴れが収まってきます。
日々の治療と並行して行うことで、再び水がたまる可能性は大幅に低くなります。
変形性膝関節症は悪化してしまうと、人生においても大きな悪影響を及ぼす傷病です。
今は我慢できるからと放置してしまうと、取り返しのつかない状態になってしまう可能性があります。
こんな違和感程度で接骨院にいっていいのかな?と思わず、今後の悪化を防ぐためお早目にご来院ください。
また症状が進んでしまっている人も、変形は治せなくても痛みを無くし、変形を食い止めることは可能です。 これこそ1日も早く治療を開始し、さらなる悪化を防ぎましょう。