肘内障

肘内障は、肘の外側の橈骨（橈骨頭）を囲むようにある肘の靱帯（輪状靱帯）がはずれかかってしまうことによって起こります。
多くは、5歳以下の子供に起こります。
中には頻繁に肘内障を繰り返す子もいますが、靭帯（輪状靭帯）がしっかりしてくる６歳くらいになると次第に起こることが少なくなってきます。
原因の多くは、手を引っ張られることによって起こります。
急に走り出すのを止めたり、子供同士で遊んでいる最中に引っ張られるなどがよく見られます。

＜症状＞

肘をやや曲げた状態で下げたままにして、痛がって動かそうとしません。子供によっては肩や手首の痛みを訴えます。またお子様の鎖骨骨折と間違われる事もあります。
肘内障は普段取りの何気ない動作で起こるため、気が付かないことも多くあります。
いつもより腕を動かさなかったり痛そうにするなどの異変を感じたら、肘内障を疑ってみてください。

＜治療法＞

徒手整復（手で靭帯と橈骨の位置を元に戻す事）を行います。
肘内障によって靱帯の損傷が起こることは少ないため、整復の後はいつもと同じように腕をつかってもらって大丈夫です。

ただ、手を引っ張られることによって繰り返すこともあるのでそこはご注意ください。


過去には長い時間治されずにいて靭帯が変性して戻りずらくなってしまった症例もありました。肘内障はまだ痛みをはっきり訴えられない子供に起こるので、少しでも怪しいと思ったら悩まずまずご来院ください。