腸脛靭帯炎(ランナー膝)
腸脛靭帯炎はランニングによる膝関節外側の障害です。
膝の屈伸運動を繰り返すことによって膝外側にある腸脛靱帯が大腿骨外顆を乗り上げようとする動きが繰り返し起こり擦れることで炎症を起こします。
具体的には、特にマラソンなどの長距離ランナーに好発しますが、ほかにもバスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエ等などのスポーツでも見られます。
<症状>
大腿骨外顆周辺(上図の赤い部分)に痛みがでてきます。
腸脛靱帯は緊張が増して固くなり、場合によっては靱帯の走行に沿って放散痛(広がっていく痛み)が表れます。
初期症状は運動後に痛み出ますが、少し休むと落ち着きます。
しかし、ケアをせず運動を続けていると次第に痛みは強くなり、簡単に消えなくなってきます。
重症になると私生活でも痛みで行動が制限されてしまいます。
<治療法>
腸脛靭帯やその周辺の筋緊張を手技療法で緩めていきます。
運動中の疲労で、膝や足の荷重がだんだんと外側(外側重心・O脚)にかかってしまうことも大きな原因になるため、運動時のフォーム改善や筋力トレーニングも指導させていただきます。
必要な場合は、足底板(インソール)を使って膝への負担を減らすこともあります。
1度痛みが出てしまうと完治まで長引くこともあり、長期間の運動休止をしなければならなくなることもあるため、早め早めの治療が必要です。
少しの痛みであっても我慢せず、重症になる前に治療を始めましょう!